■第10段　基本とは
　（テーマ　商売の王道を知る）　平成１４年２月１８日

●組織としての基本はつくっていくもの

　基本を一言でいえば、人間の常識のこと。すなわち社会人として当たり前の挨拶、話し方、マナーということを指す。「感じがよい、悪い」というのは、皆、潜在的に判断している。それゆえ何が基本なのかは、いわれないと意外とわからない。日ごろ、基本について考えることはないから、難しい。

　一般的に基本ができない会社は多い。基本というのは、実はなかなかできない。簡単にできたら、誰でも儲かる会社をつくれてしまう。会社は組織で成立するものだから、個人レベルとは違う次元になる。組織で基本づくりをするには、従業員の教育をどのようにするか、あるいは仕組みはどうするかなど、つくっていかなければいけない。

　たとえば接客。受付で来客を迎えるときに、予定が入っている人には「おうかがいしています」「○×さんですね。お待ちしていました」といわないと失礼になる。「どなたですか？」と聞くのは最悪の対応だ。接客ひとつをとっても、受付のほか、取り次ぎ、案内、お茶の出し方など一連の流れがあり、ひとつひとつ基本がある。それらをきちんと基本に沿ったものとしていく必要がある。

●ほとんどの決断が感情的に下される

　ビジネスは、小売業ならばお客さんが商品を買うこと、サービス業であればお客さんから仕事を依頼されることで成り立っている。このお客さんの行動の裏側を考えてみよう。私の事務所に依頼するのは、お客さんが「その事務所、その人に頼みたいなぁ」と思うからだ。つまりは、気持ち、感情に左右されるといっていいだろう。頼みたくなる理由が必ず潜んでいる。

　私の事務所では、基本マナーのマニュアルがあり、心をこめた対応をしているから、評判がいい。たとえば、電話をかけてきた人が、「気持ちの良い電話の対応だ」と感じれば、事務所の雰囲気も良さそうだと想像する。そして「エース会計事務所＝対応のいい会計事務所」と記憶に残り、必要なときには、「あの事務所に頼もう」ということになる。

　ビジネスは、人対人で動くところが大きい。ゆえに基本ができていない会社は、儲からないといえる。

　文責　山田　咲道　公認会計士・税理士
　中央区の税理士　エース会計事務所　会社設立できる公認会計士　東京都

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