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第42段 儲かる会社5 儲かる会社の社長は暗い
 シリーズ 儲かる会社、儲からない会社) 平成14年11月11日

●リスクファクター(変動要因)を重要視する

 儲かっている会社の社長は、なにかのビジネスをはじめるとき、徹底的に計画を立てて、そのビジネスのためのあらゆる方策を尽くし、考えられるあらゆるリスクを評価する。

 商品を売り出すときには「これが売れなかったらどうするか?」「最低限どれだけ売ればいいか?」「このマーケットはどうなのか?」など、マイナスの評価をして、論理的・客観的に解釈して、対策を練る。それでも残るリスクを飲み込んで、ビジネスの決断を行っていくのが、真の勇気ある社長の行動だ。

 絶対に黒字になるとは、誰も断言できないから、最後までリスクファクターは残る。時間の経過とともに、細かな事柄になっていくが、つねに最悪の状態を考えているから、暗くなる。本質的に絶対に暗い社長ではないと儲けることはできない。ただし、目的を達成するためのプロセスにエネルギーを集中している分、無益な心配に費やされないで済み、自信をもって振る舞うことができる。マイナス思考を超越した勇気の明るさがあるといえる。

 一方、万策も尽くさず、リスクの評価と対策も立てない経営は、無謀であり、必ず失敗する。

●ビジネスでは棚ボタはない

 大学受験を考えてみると、勉強をしないで、太宰府天満宮にわざわざ行ったとしても失敗する。希望の大学に受かろうと思ったら、100回模擬試験を受け、90回以上は合格ラインに乗せ、なおかつ太宰府天満宮に行ったほうがいい。

 なぜなら、回答用紙に名前を書き忘れる、採点の先生が間違えるといったリスクがあるから神頼みが必要になる。神頼みは、自分が努力したときのリスクファクターに対してすべきものだ。

 大学受験ならば、合格するかもしれないが、ビジネスでは神頼みも通用しないし、「棚から牡丹餅」はありえない。それどころか、1回の失敗が倒産になる可能性もある。そうならないためには、会社として、失敗は小さく、成功は大きくなるような循環をくり返していかなければならない。模擬試験を受ける代わりに、マイナス評価をしなければならないわけだ。社長が「どうにかなるさ」と行き当たりばったりの毎日を過ごしていたら、会社がつぶれてしまう。

 社長は、自分で結論をつけるしかない。だれも助けてはくれないから、考えることから逃げても、本質的な解決にはならない。自分と向きあい、頭を使って考え、仕事の理論を詰められなければ、儲かる会社はつくることができない。


 文責 山田 咲道 公認会計士・税理士
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