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第521段 決めたことは守る
 (
テーマ 商売の王道を知る) 平成27年1月5日

価格を崩す罪

 顧客に言われて、上司に相談なしに値段を勝手に崩したり、タダでやってしまう社員がいる。悪質なのは、「この仕事は4万円で」と社内で決め、担当者も同意しているのに、勝手に消費税込にしてしまったりするケースだ。権限がないのに流れのなかで、確信犯的に丸めてしまう。見つければ怒ることはできるが、個別にチェックするのは難しい。知らない間に契約を交わしていれば、あとから変えることはできない。
 価格を崩すと、最悪の場合、タダで仕事をすることにつながってしまう。

 私の事務所には、「顧客の顧問料等の支払いが滞った場合、月末の3日以内に連絡を取り、交渉する」という鉄の掟がある。売掛を担当する事務の人は、必ず私にCCで同報メールを送信して報告し、担当者が最終的にとりまとめをすることになっている。
 昨年、事務所の状態が安定していなかった時期に、そのルールがないがしろになってしまったことがある。まずそこが問題である。事務所がどんな状態であっても、もっとも優先してやるべき売掛金の回収をほったらかしにしてしまってはならなかった。担当は電話をせず、取りまとめの人も見落としている状態だった。

面倒なことを後回しにしない

 売掛金の督促は、はっきりいって面倒な仕事である。気が乗らないから、いやいややることになる。経営者としては、いやいやながらでも積極的に売掛金の回収をやれない人は、決して管理職につけてはいけない。仕事を選んでいる場合ではないのだ。
 あるケースでは、私が重大な問題に気づき、「このお客さまにはすぐ電話するように」と指示をしたのに、担当者は「わかりました」と言うだけで動かなかった。ただ、めんどくさくて、話しづらくて、お客さまとの関係が揉めているという理由で、社長から3回も命じられているのに電話すらしなかったのだ。

 このケースの場合、顧問契約が切れた顧客の残代金の支払いで3か月前から交渉がうまくいっていないということが、社員への4回目の催促の後にかけた電話で判明した。顧客には支払う気がなかったのである。
 詳細は次段以降に譲るが、今回のケースは顧客があまりにも悪質だったため、社会的制裁を加える目的で、弁護士に依頼して訴訟を提起した。顧客と話しづらい、督促しにくいから何もしないという根性がない態度で放置していれば、間違いなくあちこちに迷惑をかけることになる。


 文責 山田 咲道 公認会計士・税理士
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