■第656段　現実の経営を理解する
　（シリーズ　取締役会とは）　令和２年９月２１日

●経営者目線でコミュニケーション

　エース会計事務所は個人事業なので、役員会に出席している３人のメンバーは、正式には役員ではなく、幹部である。この半年で経営者目線を身につけつつあり、すべての仕事が以前よりスムーズにいく。各自が経営者感覚で外部とコミュニケーションができ、内部に対してもしっかりしてきている。
　経営者である私の行動についても考えるようになってきた。重要な事柄は役員会でちゃんとディスカッションし、すべてコンセンサスをとって進めているため、幹部全員が理解できる状況だ。

　新人の指導ひとつとっても、リアルに新人を教えている真っ最中にその方法の良し悪しを考え、実際に指導してみて、現実から学ぶことができるわけだ。いくら机上で学んでも、経営感覚は身につかない。
　リクルートがいかに大変なのかは、現実に体験した人にしかわからない。新人募集の原稿を作るように指示しても、一週間やそこらではそう簡単にはできないだろう。現実の経営を理解し、それぞれが、そしてユニットとして、しっかりやれるかどうかが重要だ。

●幹部の成長を促す

　役員会に出席しているメンバーは幹部として期待されているわけだから、やる気に繋がることは間違いない。経営者の期待に応えようという気持ちが成長を促す。
　役員会への出席で自動的にスキルがアップし、意識が高くなっていく。一般職の人たちとは雲泥の差が生まれている。そしていずれ、一般職の人たちのなかからまた、優秀な人材をピックアップして、幹部として育てていくことになる。

　取締役会をたくさん開いた方がいいという真理を、私は55歳にしてようやく掴んだ。どうやって会社を大きくしていくのか、会計事務所を３０年経営して、やっとわかったといえる。普通は「会議なんていらない」と思うが、事実は逆なのだ。
　超ワンマンの社長にとっては、会社が儲けるのに役員会は不要かもしれないが、それでは後が続かない。


　文責　山田　咲道　公認会計士・税理士
　中央区の税理士　エース会計事務所　会社設立できる公認会計士　東京都

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