■第60段 同族会社と大企業の違い
(テーマ 大局から経営を考える) 平成15年3月17日
●同族経営は良くないのか?
同族会社の定義とは、法人税法が定めており、上位大株主3人の持ち株比率をあわせて50%を超える会社のことだ。上場しない限り、ほとんどの会社が同族会社だ。中小企業だと、代表取締役の社長ひとりで、持ち株比率が50%を超えなければ、意味がない。そうでなければ、取締役を自由に選ぶことができず、共同経営になってしまう。
同族経営は良くないという議論があるが、小さい会社は同族経営でないと、責任が不明確になり、だれも責任をとらないから、軌道に乗りにくい。家族の応援を得て独立開業をしたら、生活の糧を守るために死にものぐるいで働く。そして、ある程度の規模になり、もっと規模を大きくしようと思ったら、増資をして、同族会社でなくなる必要がある。この議論の本題は、規模を無視してひとくくりにするのではなく、会社の規模が大きくなったときに、同族会社と同じような会社経営をするのは良くないということだ。
この例として、よく話題にあがるのは、ソフトバンク。上場していても、孫社長が同族経営の延長線上で経営を行っている。同族経営の基本は、ワンマン経営のことだ。孫社長が大株主だから、株主総会でも拒めない。誰も止めることができない。勝手にやりたい放題やっていると、多くの従業員、株主や銀行など債権者が巻き込まれる。
●大企業は社会的な組織である
三菱商事とソフトバンクを比べてみると、その違いがよくわかる。三菱商事はパブリックな存在であり、たとえ社長が突然倒れたとしても、会社は有機的に運営されて、継続していくことができる。
三菱商事は第44段で説明したように、所有と経営が分離され、日本経済の一部になっている。浮動株の比率が非常に少なく、株価が安定している。株式市場が望んでいるのは、投資家から集めたお金を元手に、実力ある経営者が舵取りをして、利益を稼ぎ出す組織である。松下電器産業もこれに該当する。ソニーもそうなりつつあるが、まだ属人的な要素が強い。
大企業になれば、従業員、取引先、債権者がたくさんいるから、永続していく必要がある。会社がパブリックな存在になったら、経営者はそうした企業行動をとらなければならない。同族経営をしていたら、いつか倒産する。
文責 山田 咲道 公認会計士・税理士
中央区の税理士 エース会計事務所 会社設立できる公認会計士 東京都
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