■第558段 目先の利益より大事なもの
(シリーズ 社会貢献を学する) 平成28年7月18日
●正当な料金を払わないツケ
5000円の確定申告を、赤字を覚悟で受ける会計事務所もあるだろう。代わりに、顧問契約を取ることで黒字になればいいという狙いだが、1件ごとに黒字にならなければ、全体が黒字になることなどありえない。
顧問契約が取れても当然、ダンピングが前提となるため、「前回の赤字を今回の黒字で相殺して賄おう」としても無駄だ。そもそも赤字の仕事を強要するような顧客は全部切るべきである。
施工データ偽装で話題の旭化成建材も、元請けの三井住友建設からダンピングを要求されて工期を短くされたため、仕方なくやったという見方もある。旭化成建材は、手抜き仕事をするから安いわけだ。
正常な利益を考慮せず、まともな単価で発注しなくても受ける企業が存在するということだ。本来、1億円を支払うべきなのに、5000万円で受けてくれる企業があれば、確かにラッキーかもしれない。しかし、報酬の5000万円に見合うような仕事しかしないわけだから当然、手抜きになる。正当な料金を支払わなければ、巡り巡って自分にそのツケが返ってくるのだ。
●非常識なクライアントを切る
安い料金で発注しても、とりあえず建物は建つ。売り主の三井不動産レジデンシャルは、いいマンションを安い価格で作らせたつもりだが、常識外れの安価な額の発注では手抜き工事を免れない。半額で質もいいなどという、ウルトラCはありえないのだ。
私の事務所の場合、いくら顧問料が高くても相手先企業の性格が悪ければ、その会社に割く時間は限界がある。しかし、安い顧問料でも性格がよい、きちんとした企業であれば、気合いを入れて時間を割き、報酬以上のメリットを結果として先方に与えることになる。
無理な要求をする人には、真っ当なサービスが返ってこない。従業員の労働もサービスも、自分が仕入れて売るのである。仕入先自体がおかしければ、自分の製品もろくなことにならない。
仕入先をきちんと作っていきたければ、「とにかく安いほうがいい」「成り立たない原価でやれ」などと望むのは間違っている。むしろ、「お金はきちんと払うので、しっかりとした仕事をしてほしい」と依頼すべきである。目先の利益を出したがり、何が何でも安くしようとすると、世の中がおかしくなっていく。
文責 山田 咲道 公認会計士・税理士
中央区の税理士 エース会計事務所 会社設立できる公認会計士 東京都
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