■第562段 ローコストオペレーションの弊害
(シリーズ 社会貢献を学する) 平成28年9月19日
●会社を存続させる
存在意義や社会貢献性がないと、会社は存続しない。エース会計事務所ではなく、どこの事務所に頼んでも同じだと言われたら、付加価値がないのだから潰れるしかない。あえてエース会計事務所を残す価値がない。
たとえば、建物が傾くような手抜き仕事をするのなら、旭化成建材は存続する必要がない。潰れてしまえばいいのだ。「手抜きしてやらせよう」という発注側の発想もおかしい。原価を無視していいものを安く仕入れたいという姿勢では、破綻が目に見えている。
飲食店でお金をいかに稼ぐかを重要視すると、仕入れはローコストオペレーションになる。毎日築地に行くのが望ましいとわかっていても、時間の無駄だからと1週間に1回、まとめ買いをする。一度にたくさん仕入れて冷蔵庫にストックし、安くあがったと満足してしまう。次第に感覚が麻痺すれば、1週間前の刺身定食や洗っていない野菜を平気で出すようになるかもしれない。確かに儲かるかもしれないが、工夫すべきポイントが間違っている。
本来、そんな食材を店で出すなど、プロフェッショナルとして悔しいはずだ。低い志で商売をやっている時点で破綻なのだ。細かいレベルでダメだと判断すれば、客は引いてしまう。
●セレクトショップを目指す
私は納豆が好きで、いろいろなところで朝、納豆定食を頼む。驚くことに、ネギをつけず、納豆だけを出す店がある。ネギを刻むのが面倒なのかもしれないが、ネギなしの納豆定食を出されたら、この店はダメだと思う。
ローコストオペレーションの考え方では、ネギなど切らない方がいいのだろう。さらに手を抜き、「器に移さなくても納豆だから」と、スーパーで買った納豆がそのまま出てくることになりかねない。金稼ぎ至上主義のサービスを提供すれば、確かに原価は安くなる。
しかし、ローコストオペレーションが優先されれば、店は魅力を失う。数ある店のなかから、あえてその店を選ぶ理由は何か。その店に行ったら何が美味しいのか。トンカツ、天ぷら、うなぎと、人は店をチョイスする。デパートではなく、セレクトショップになって差別化を図り、特化していかなければならない。
なぜ、付加価値を高める方向ではなく、ローコストオペレーションに走るのか。付加価値をつけるのは戦いであり、大変なことだからだ。ものがいくらよくても原石では仕方がない。球は磨いて光らせなければならない。いいものは1日ではできない。環境を整備し、日々努力する必要がある。いかに安くあげるかという観点から、いいものが生まれるわけがない。
文責 山田 咲道 公認会計士・税理士
中央区の税理士 エース会計事務所 会社設立できる公認会計士 東京都
よろしければ、ぜひご購読をお申し込み下さい(Presented By )
サイト内検索
〒104−0045
東京都中央区築地2丁目11番9号RBM築地駅前ビル6階(地図)
TEL 03−3516−8941 FAX 03−6740−1328
E−Mail ace@jobtheory.com
URL https://www.jobtheory.com/
会社経営とは 戦う経営ブログ 社長の道!『仕事の徒然草』
前段へ 次段へ
TOP サイト内検索 テーマ別 日付順(No順) 最新号
|