■第609段 能力バランスをトータルに捉える
(シリーズ ブラック問題を考える) 平成30年9月3日
●全員優秀な会社はない
病気になる人が増えたため、病人だからという理由でスポイルするわけにはいかない時代がやってきた。病気が表面化している人も多いが、潜在化したまま我慢している人もいる。ある程度の企業規模になったら、優秀な人もそうではない人も、みんなでがんばって協力していく体制をとるしかない。能力の異なる集団だということを認識しながら、大量の人を使っていかなければ、面倒な問題が起きかねない。
能力の高い人をたくさん雇用し、育てていきたいと志向することはかまわないが、実際にはいろいろなレベルの人を雇うことになる。だいたい、全員が優秀だという会社はありえない。優秀な人ばかりを採用しても、さぼる人が必ず出てくるからだ。
パレートの法則、別名8:2の法則によれば、働き蟻は全体が働いているように見えて、実際には社会を維持するために尽力するのは全体の2割だ。その2割だけを別の集団にすると、その内の8割はさぼりだす。真面目な2割を排除された残りの8割の社会では2割が真面目に働きだし、8:2の法則が維持されるという。
●人間力が弱い現代
仕事ができる人の数は減っているから、平均以下の能力でも採用せざるを得ない。優秀な人材がいないからと、人が辞めた後にそのまま放置すれば、残っている社員に負荷がかかり、みんなが逃げだす破滅的な職場になる。
給料を払えばやってくれると考えるのは大間違いだ。求人倍率1倍のいま、どこでも勤められるのに、ブラック企業にい続ける理由がない。優秀な人だけ採用しようと思わず、全体のバランスを見て、ある程度の許容や我慢をする必要がある。
能力が劣るなら長時間労働でカバーするしかないと考えるのは社長の横暴だ。「できない人を支えるのが社長の役目」と考える世間と噛み合わなくなる。人があっての会社なので、人をしっかり支えて会社を構築していくべきだ。効率ばかり重視し、お金を稼ぐ観点で組み立てていくと、ブラック問題が随所に発生する。人間力が弱くなっている現代においては、「残業はダメ」だと経営者が認識し、考え方をチェンジしないといけない。
文責 山田 咲道 公認会計士・税理士
中央区の税理士 エース会計事務所 会社設立できる公認会計士 東京都
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