■第632段 記者会見を成功させるには
(シリーズ 不祥事の危機管理) 令和元年9月2日
●記者会見の悪例
女子レスリングの栄和人元監督によるパワハラ騒動に抗議した至学館大学・谷岡郁子学長の記者会見は、業界にとってかなりマイナスイメージとなった。怒りを爆発させた質の低い会見は自分の大学のレベルを落としただけで、全くプラスになっていない。
日大の記者会見の横暴な司会者に至ってはワンマンの典型で、新たな問題が勃発するほどのひどいレベルだった。記者会見を開くような危機的状況だという自覚がないのか威張った物言いで、マスコミから批判が殺到し、日大ブランドは失墜した。
昔、公共地である道路にはみ出して設置された自動販売機が通行の障害になるという行政指導を受け、ある飲料メーカーが「私有地への移動を全部終了した」と記者会見したことがある。しかし、不審に思った市民団体が調査し、「全然終わっていない」という状態を告発した。大手飲料メーカーは、それで経営が悪化してしまった。
嘘をつくのはまずい。マスコミだけではなく、市民団体も含め、優秀な人たちが厳しくチェックしてくる。騙すことはできない。一回嘘をついてしまうと次への影響が大きい。甘く考えず、危機管理の趣旨に沿った対応をしないといけない。
●自分の発言はどう受け取られるか
バレーボール選手でも水泳選手でも不適切な事態が発生したら記者会見して謝ってしまえば収束に向かう。謝り方やタイミングを考え、先手先手で自分のやるべきことを正しく実行していくべきである。前述の飲料メーカーの場合、調査を委託した会社が嘘をついたのかもしれないが、自分自身で確認しないまま、終了報告の記者会見をしたのが敗因だ。
最近でいうと、日大の悪質タックル事件の加害選手の記者会見は、危機管理としてはナンバーワンだ。自分に不利なことを堂々というだけで、嘘をついていないと誰もが思う。指示されたかどうかは受け取り方の問題でもあるから、あとでいろいろいっても詮無き話である。絶対的な評価で判定はできないため、感情で判断するしかない。自分の発言がどう受け取られるかに注意を向けるのは当然のことだ。
残念ながらだめな記者会見のケースはものすごく多いが、いいケースは極めて少ない。
文責 山田 咲道 公認会計士・税理士
中央区の税理士 エース会計事務所 会社設立できる公認会計士 東京都
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