■第662段　ものを捨てるといいことがある
　（シリーズ　己を鍛える）　令和２年１２月２１日

●散らかった会社は儲からない

　ある程度の年齢になると断捨離が必要だ。ものを捨てると、いいことがたくさんある。
　私はコストダウンコンサルタントとして不調会社に出向くことが多々ある。共通していえることは、だいたい社内が散らかっているということだ。整理されていない。花が枯れていて、ダンボールがいっぱい積んである。ものすごく無駄にスペースを使っている。徹底的に整理整頓してスペースがあけば、多大な利益が生まれる。それだけで儲かる。家が散らかっているのはある程度仕方ないが、会社がごちゃごちゃしているのは論外だ。

　利益が生まれる一番大きな要因は、スペースを生むことによって効率を上げられるからだ。ごちゃごちゃとして片付かず会議室がひとつしかない状況を、整理整頓して会議室をふたつにできれば、間違いなく効率がアップする。あるいは、片付けて従業員が昼食をとるスペースを作るだけでもいい。広々として気持ちがいいことも、従業員環境がいいというひとつの利益だ。スペースを作ることに、こだわられなければならない。
　ダンボールがその辺に転がっていると、スペースに余裕がない。打ち合わせはダンボールの横でやる有様だ。儲からない会社は１０社行ったら7、８社が大体そんな状態だ。

●机が汚い人は仕事ができない

　片付いていないことで何がよくないかというと、物を探す時間が無駄だ。必要なものがすぐに出てこなくて探すのは相当効率が悪い。机の上が汚い人は、常にそういう状態だ。
　机の上を見れば、その人が仕事ができるかできないかがはっきりわかる。一か月前に見かけた飴がそのまま置いてあるような机の隣りで仕事をするのは苦痛以外の何物でもない。

　うちの事務所ではコピー用紙を裏紙として活用しているが、ぐちゃぐちゃな机の上に黄ばんだコピー用紙を乱雑に積み上げているスタッフがいた。整理がめんどくさいのだ。
「これ、どうするの？」「裏紙ですから整理して後で出します」「一か月前にもそう言ってたよ」「そのうちやります」「面倒くさいから溶解処理に出したら？　そしたら考えなくてすむよ」「いえ、もったいないからやります」と、そんな会話を交わしても、結局そのままだ。溶解処理など箱に入れればいいだけなのに、やらないのではどうしようもない。

　文責　山田　咲道　公認会計士・税理士
　中央区の税理士　エース会計事務所　会社設立できる公認会計士　東京都

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