■第736段　経費削減のポイントは家賃と車
　（シリーズ　個人の財産形成）　令和６年１月１５日

●駅から遠い家を借りる

　経費削減の大事なポイントは主に二つ、家賃と車だ。
　家賃は大きな出費だ。家賃は駅から遠いと安くなる。東京都近郊で節約したい場合は、駅から遠い物件を借りることを検討しよう。駅近の物件よりも広くて家賃が安く、徒歩１５分程度であれば健康のためにもよい。ただし、夜道を一人で歩くのは危険なので、治安に注意し、よく検討して決める必要がある。

　持ち家か賃貸かは各自のキャッシュフローで決めるべきだ。３，０００万円の借り入れなら、月々の返済額１１万円を家賃相当と考えることもできる。
　将来は資産価値があがるというのが不動産屋の営業トークだが、ゴーストタウンになりかねない。修繕や建て替えの費用、固定資産税もかかる。夫婦共働きができなくなる、転勤になるなど、生活環境が変わることもあるだろう。二束三文で売却することになると、借金が残る。家の購入にはさまざまなリスクがある。価値が上がるか下がるかの投資だ。

●車を持たない

　車の値段は高く、新車１台で３００万円ほどする。軽自動車は１００万円以下のイメージだったが、いまは中古でさえ１００万円を超えるぐらいになった。コロナで部品が足りなくなって価格が高騰している。自家用車には車両代のみならず、ガソリン代、駐車代、メンテナンス代、ガソリン税や軽油税などの税金、保険料などがかかる。特に、都心部は駐車場代が高額で、家賃並みだ。２０年間で４台の車を購入すると、維持費込みで１，０００万円以上、３０年では１，５００万円になってしまう。車を所有するのは困難な時代だ。

　田舎の生活では車が不可欠だが、東京は車がなくても公共交通機関でどこにでも移動できる。車は便利だが、維持費が高額なので、車に乗るのが好きなら、レンタカーやカーシェアリング、サブスクリプションを利用した方が費用を抑えられる。また、仕事に車を使っている場合、青色事業にすれば車代やガソリン代を経費で落とせるので、節税になる。
　家賃と車というファクターは財産形成に大きく影響する。東京近郊や大阪、名古屋など首都圏では駅から遠い物件で家賃を減らすのが一つの手で、車は持たない方がいい。

　文責　山田　咲道　公認会計士・税理士
　中央区の税理士　エース会計事務所　会社設立できる公認会計士　東京都

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