■第120段 税効果会計の本質を知る
(テーマ 会計を活用して節税する) 平成16年5月10日
●税効果会計とは
税効果会計は、法人税は利益に対して40%かかるが、前期の損失と今期の利益を相殺できるため、その分を繰り延べることができる。例をあげると、次のような損益計算書になる。
【税効果会計】
前期 今期
売上 200万円 売上 400万円
仕入 100 仕入 100
経費 200 経費 200
―――――― ――――――
税前利益 -100 税前利益 100
法人税 -40 法人税 40 今期の実際の法人税は0
-100×40% 100×40% 今期の利益100が前期の損失-100と相殺されるため
当期利益 -60 当期利益 60
【2000年3月期以前の会計】
法人税 0 法人税 0
当期利益 -100 当期利益 100
前期は、損失「-100」なので、実際の法人税はゼロである。以前の会計ではそのままゼロで計上したが、税効果会計では、税金計算上将来損失を相殺できるため、その分を損益計算書で「法人税等調整額」として、「-40」計上する。
今期は、利益「100」が出ているが、前期分の損失「-100」と相殺して、実際の法人税はゼロである。以前の会計ではそのままゼロで計上したが、税効果会計では、相殺分を損益計算書で「法人税等調整額」として、「40」計上する。
●「繰延税金資産」とは何か?
前期の損益計算書で法人税「-40」計上できるということは、その分赤字を減らすことができる。要するに、損失減らしの利益のかさあげだ。
毎年、損益計算書に計上した「法人税等調整額」は、貸借対照表の資産の部で「繰延税金資産」として計上される。アメリカで税効果会計が採用されていたため、銀行救済を狙いとして、日本でも2000年3月期から始まった。銀行だけではなく、経営不安が噂される企業の多くが、この「繰延税金資産」を計上し、債務超過を逃れている。
税効果会計とは、手続き上は会計上の利益と税務上の利益の食い違いを調整するために導入されたが、本当の狙いはここにある。
文責 山田 咲道 公認会計士・税理士
中央区の税理士 エース会計事務所 会社設立できる公認会計士 東京都
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