■第700段 コーポレートガバナンスが死んでいる
(シリーズ 取締役会とは) 令和4年7月18日
●ゴーン氏一人の責任ではない
日産ゴーン事件では、役員報酬に関する有価証券報告書虚偽記載罪、並びにサウジアラビアルートとオマーンルートの特別背任罪がゴーン元会長を被告人として立件されている。
しかし、ゴーン氏が単独で何十億もの金をせしめたわけではないことは明白だ。2016年3月期から2018年3月期までの3事業年度の日産自動車の有価証券報告書には、代表者の役職氏名として「取締役社長 西川廣人」と記載されている。日産のような大きな会社でゴーン氏が自分で海外に送金したわけもなく、当然、経理担当が送金しているはずだ。
世の中の普通の会社では不正が発覚したら取締役会で議論し、自律的に辞めさせる。そのあとに、刑事告訴をする、しないというステップに進む。最初に刑事告訴をしてしまい、取締役会で何ら議論をしていないことが日産の一番の問題なのだ。手順がおかしい。
取締役、監査役など各役員は、役員が悪さをしないように見張るのが仕事なのである。執行するのが仕事ではない。
●先に刑事告発をした愚
今回、日産は「悪いことがわかりました。会社法的には是正する力があるけれど、行使しないで親に言いつけます」という対応をとってしまった。実際に自分で問題を解決する法律的な権利があるのに、責任を取りたくなかったのだ。社内で戦わなくてはいけないのがあまりにも重く、検察に介入してもらった方が楽だったということだろう。
ゴーン氏は確かに悪いが、彼は保釈金15億円が没収されているため、実質的な損害を受けている。しかし、ゴーン氏同様、責任をとるべき大勢の悪い人がいるにも関わらず、うまく逃げてしまって野放しになっている。それがこの事件の問題の本質だ。
刑事告発などせずに社内で落とし前をつければ、株価も下がらないですんだのだ。元々組織がおかしくて、コーポレートガバナンスが死んでいるのに、そのことがまるで議論がされていない。これはガバナンスの問題なのだ。責任をとるべき人がとらないという一番たちの悪いパターンで、日産のようなめちゃくちゃな会社は論外である。
今回、日産は「悪いことがわかりました。会社法的には是正する力があるけれど、行使しないで親に言いつけます」という対応をとってしまった。実際に自分で問題を解決する法律的な権利があるのに、責任を取りたくなかったのだ。社内で戦わなくてはいけないのがあまりにも重く、検察に介入してもらった方が楽だったということだろう。
ゴーン氏は確かに悪いが、彼は保釈金15億円が没収されているため、実質的な損害を受けている。しかし、ゴーン氏同様、責任をとるべき大勢の悪い人がいるにも関わらず、うまく逃げてしまって野放しになっている。それがこの事件の問題の本質だ。
刑事告発などせずに社内で落とし前をつければ、株価も下がらないですんだのだ。元々組織がおかしくて、コーポレートガバナンスが死んでいるのに、そのことがまるで議論がされていない。これはガバナンスの問題なのだ。責任をとるべき人がとらないという一番たちの悪いパターンで、日産のようなめちゃくちゃな会社は論外である。
文責 山田 咲道 公認会計士・税理士
中央区の税理士 エース会計事務所 会社設立できる公認会計士 東京都
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