■第777段 残業削減がもたらす波紋
(シリーズ アフターファイブの過ごし方) 令和7年10月6日
●残業抑制が生む職場環境の変化
残業を抑制しようとする動きは、過重労働している一部の是正にとどまらず、職場全体の残業時間を一律に削減する方向に進んでいる。これにより生活残業が難しくなり、残業を許容するか否かが上司の管理能力の評価に直結する状況が生まれている。現代の人手不足の時代において、ブラック企業だとSNSなどで評されれば、新たな人材の確保が難しくなるのは明白だ。職場環境が悪化すれば人材が離れ、業務が停滞するという悪循環に陥るリスクが高まる。
また、残業削減の流れは「残業=悪」という認識を助長し、9時から5時までの定時労働を徹底する「ホワイト職場」の増加を促進している。職場環境の改善につながる側面がある一方、繁忙期など一時的に業務量が増加するタイミングで柔軟な対応が取れなくなるという新たな課題も浮上している。
●残業拒否の広がりと人手不足の深刻化
多くの企業で従業員による残業拒否が広がり、経営者にとって大きな悩みの種となっている。若手社員の残業拒否をきっかけに、古株社員や幹部社員までが同調するケースが増え、結果として「残業をしない職場体質」が形成されつつあるのだ。これまで生活残業を通じて業務の波を吸収していた職場でも、現在では繁忙期にすら残業をしないという「既得権」が定着してしまっている。この状況が人手不足をさらに深刻化させ、企業運営を圧迫しているのが現状だ。
人手不足を補うため派遣社員を活用する企業は多い。エース会計事務所でも派遣社員の採用は進んでいるが、派遣社員では正社員と同等の業務対応が難しく、補助的な単純労働にとどまるケースが大半である。
こうした状況のなか、2024年問題に端を発する急速な人手不足の進行は、短期間での解決が見込めず、企業にとって長期的な課題となりつつある。これに対応するには、従来の労働慣行を見直し、効率的かつ持続可能な働き方を模索することが求められる。
文責 山田 咲道 公認会計士・税理士
中央区の税理士 エース会計事務所 会社設立できる公認会計士 東京都
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