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■第781段 副業や転職に役立つ資格の取得
（シリーズ アフターファイブの過ごし方） 令和７年１２月１日
●転職を視野に資格を選ぶ
アフターファイブに副業を検討するなら、資格取得は有力な選択肢の一つである。私が推奨する資格の一つが日商簿記だ。簿記の資格は経理職への転職や日々の業務効率向上に直結し、実用性が高い基本スキルといえる。一方、外資系企業を目指す場合にはTOEICや英検といった語学資格が有用であり、海外旅行やプライベートにも応用が利く。資格取得の目的は、副業で収入を得ることだけでなく、転職を見据えたスキルアップを視野に入れるべきだ。終身雇用が崩壊しつつある現代において、安定を求めるならばスキルや資格を武器にすることが重要である。
ただし、資格の選定には注意が必要だ。資格ごとに収益性や取得までのハードルに差があり、副業に適さないものも多い。例えば、公認会計士や弁護士といった高難易度の資格は時間や労力の面で非常に厳しい。宅地建物取引士（宅建）は企業内での活用が中心であり、独立には不動産会社の設立が前提となる。一方、行政書士は独立性が高く、司法書士よりも広範な業務が可能だが、営業力が求められるため、誰もが成功するとは限らない。
●副業向きの資格を取得
税理士資格は確定申告シーズンにおける需要の高さから安定した収益が見込まれる。しかし、確定申告業務などでは単価の低さが課題となる場合が多い。エース会計事務所ではインフレや業績を考慮して20年前から破格の顧問料で据え置いていた顧客に対し、月額6,000円の値上げを提案したところ、「他社と比較する」といった反応が返ってきた事例がある。このように、顧客との関係性によっては価格改定が難航する現実もある。
サービス業では、顧客の価値観や期待に応じて対応が異なるため、すべての顧客に同水準のサービスを提供することは難しい。長期的に築いた信頼関係が損なわれれば、サービスの質を最低限に抑えざるを得ない状況に陥る。サービス業の抱える厳しい現実である。公認会計士や税理士などの難関資格は、膨大な学習時間と実務経験を要し、即効性は期待できない。副業を目的とするなら、収入に直結しやすい資格の取得をめざすべきである。
文責 山田 咲道 公認会計士・税理士
中央区の税理士 エース会計事務所 会社設立できる公認会計士 東京都
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