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■第794段 「応援者」と「足を引っ張る人」の違い
(テーマ 個人で起業する) 令和8年6月15日
●親族はリスクになり得る存在
個人で起業する際、応援者の存在は心強い。家族や友人、前職の同僚、上司や部下といった、自分の立場や背景を理解している人々の支えは非常にありがたい。自分の場合、大学は筑波、前職は監査法人トーマツということもあり、周囲の人間は一定の常識や価値観を共有できる層だった。そのため、理解ある応援者に恵まれたと感じている。
一方で、親族にはそうした共通認識はなく、むしろビジネスの妨げになることすらある。起業したことで金銭的な余裕があると誤解され、「お金を貸してくれ」と言い出すケースもあるが、親族間の金銭トラブルは感情的な問題に発展しやすい。「家を売ったから確定申告をタダでやってくれ」などと、何かと利用しようとする人もいる。理不尽な依頼や要求に応じていると、商売にならず、利用されるだけの関係に転落する。
「応援したい」と思える親族にはアドバイスをしたり、できる範囲で力になったりすることもあるが、大半の親族は応援者どころか、足を引っ張る存在になりかねない。
●応援者は「つくるもの」
起業初期に必要なのは、商品力やサービス力以上に「人間関係の強さ」である。いかに応援者を増やし、人間関係を築いていくかが、成功を左右する。コンサルタントとしてどんなに質の高いサービスを提供しようとも、信頼関係を築けなければ継続的な依頼にはつながらない。応援者は「自然に集まるもの」ではなく、「自ら育てていくもの」だ。
友人、同僚、上司や部下といった関係者とのつながりを深め、日頃から信頼を積み重ねていくことがビジネスの基盤となり、最終的に事業の成長につながる。
逆に言えば、応援者がいなければ、どれほど実力があっても独立後の成功は見込めない。応援者づくりに最も重要なのは、利害関係を超えた人間関係を丁寧に築く姿勢である。相手の立場や考えを尊重し、周囲との関係を大切にする誠実な人は、自然と応援者が増え、ビジネスの機会も広がっていく。「いいものを作れば売れる」「コンサルティングが優れていれば信頼される」というのは幻想に過ぎない。人として信用されなければ、どんなスキルも無意味になる。起業とは、まずは人間関係の勝負なのだ。
文責 山田 咲道 公認会計士・税理士
中央区の税理士 エース会計事務所 会社設立できる公認会計士 東京都
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