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■第797段 正社員雇用のメリットとデメリット
(テーマ 個人で起業する) 令和8年8月3日
●正社員ではなく、家族やパートを活用する
人件費は想像以上に重い。たとえば新人の初任給が30万円だとすれば、社会保険などを含めた事業者負担はおよそ1.5倍、すなわち月に45万円のコストとなる。粗利が月100万円の個人事業主では、正社員を一人雇うだけでも手一杯で、現実的には不可能に近い。
開業初期においては、できるだけ正社員を避け、家族やパート、アルバイト、派遣などで業務を回していく必要がある。実際、自らのリソースと照らし合わせて受注数をコントロールする経営者も少なくない。そうしなければ、事業が崩壊するリスクが高まる。
特に近年は、いわゆる「問題社員」が増えており、正社員の採用リスクは高まる一方だ。メンタルヘルスに問題を抱える応募者も多く、こだわりが強すぎると採用がさらに難しくなる。
少人数の組織で、キーパーソンとなる採用者が精神的不調に陥った場合、即座に事業に影響が出る。簡単に解雇もできないし、SNS等で企業に不利な情報が拡散されるリスクも高い。正社員を雇用するという行為は、慎重を期すべき経営上の重大な意思決定なのだ。
●組織拡大と事業継承のために
一方、事業を拡大し、組織として継続的にスキルやノウハウを蓄積するには、一定数の正社員が不可欠だ。アルバイトや派遣などの短期的な労働力では、長期的な戦力になりにくい。
正社員前提で最初から採用するため、「この人なら大丈夫だ」と見極めてから登用することは難しい。したがって、就業規則などの制度を整えたうえで、トラブルや損失も織り込んだ採用体制を構築するしかない。
飲食業を例に取れば、自らが料理人であればホールスタッフのアルバイトだけで事足りる。しかし、自分がオーナーとして料理人を雇う立場になると話は変わる。優秀な料理人は正社員でなければ確保できないし、派遣などで代替することも困難だ。つまり、事業のコアとなるスキルを自分自身が担えなければ、雇用リスクを抱えたままの開業となる。
正社員を雇うには、労務管理だけでなく、社会保険、源泉徴収や年末調整といった煩雑な手続きが付随してくる。また、体制が整っていないとトラブルが発生しやすい。リスクとコストを冷静に見極め、最小単位で回せる体制づくりが不可欠だ。
文責 山田 咲道 公認会計士・税理士
中央区の税理士 エース会計事務所 会社設立できる公認会計士 東京都
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