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■第800段 備えとしての社会保険
(テーマ 個人で起業する) 令和8年9月21日
●国民健康保険は高負担
個人で起業すると、原則として国民健康保険と国民年金に加入することになる。
特に国民健康保険は負担が大きく、かつて上限は50万円だったが、現在では上限100万円まで引き上げられた。保険料の計算は合計所得金額の10%程度が目安となるため、仮に年間利益が1,000万円あれば、健康保険料だけで100万円が課される計算になる。
実際、土地を売却して一時的に所得が跳ね上がった顧客から「先生のせいで100万円になった」と冗談交じりに言われたこともあるが、制度上、納めるしかないのが現実だ。
一方、法人化して役員報酬という形にすれば、社会保険への加入義務が生じるものの、保険料負担は抑えられる可能性もある。たとえば報酬を月30万円に設定すれば、年金を含めても月9万円ほどの保険料となる。
会社員の場合は会社との折半があるため有利だが、起業すれば、会社と合わせて保険料全額を負担しなければならず、法人化=低額で社会保険加入という動機は、必ずしも得策とはいえない場合があるので、注意が必要である。
●国民年金は迷わず加入すべき制度
年金については、必ず国民年金に加入すべきである。かつては25年の加入期間が必要だったが、現在では10年で受給資格が得られるようになった。年金は数年で支払額の元が取れることも多く、生命保険よりもパフォーマンスが高い。
追加でオススメなのが、月400円の「付加年金」だ。これは自営業者など国民年金第1号被保険者しか加入できないが、将来の年金額を効率よく増やせる制度である。
国民年金に加入していれば、さらにiDeCo(個人型確定拠出年金)にも加入可能になる。節税と老後資金づくりの両面で優れた制度で、しっかり活用すべきだ。
生命保険に入る前に、まず優先すべきは年金制度への加入である。年金を満額納めることが将来の安心につながる。個人で起業した場合、健康保険には入っていても年金は未納という人もいるが、それは非常にもったいない。制度の改正も進んでおり、破綻を恐れて払わない時代は終わった。年金はかける。それが基本であり、シンプルなオススメである。
文責 山田 咲道 公認会計士・税理士
中央区の税理士 エース会計事務所 会社設立できる公認会計士 東京都
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