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第660段 役員会で付加価値を生む
 
シリーズ 取締役会とは) 令和2年11月16日

●会議のための会議はやめる

 役員会は、指示したり叱責したりする場ではない。やみくもに怒っても何もいいことがない。私の場合、スタッフを怒るのは演技である。みんながそれをわかってくれるようになるまで30年もかかってしまった。
 7、8年前に辞めた女子社員の退職理由が「所長が毎日怒りっぽくて嫌だから辞めます」というものだった。笑ってしまうしかない。怒りたくて怒っているわけではなく、本人のために無理やり怒っているのに、「それがパワハラです」という話だから噛み合わない。経営的な目線がないと、計画的な行動でも、感情に任せて怒っているように見えてしまうのだろう。それがいまは役員会で幹部とコンセンサスがとれているので楽になってきた。

 「会議が長い会社はだめ」と俗にいうときの会議は、付加価値がない会議を指す。烏合の衆では結論が出ない。忙しい経営者があえて会議をするわけだから、戦略的な方向や訴訟を起こすか否かなど、経営計画に照らして成果の妥当性を検証し、明確に進んでいかなくてはいけない。会社の業務執行が適正か、会社の発展に寄与する妥当なものかを精査するので、時間が長くなることも当然ある。
 会議のための会議ではなく、付加価値を生むべきだ。みんなの知恵が絞れずに付加価値が出ないような役員会なら、やめたほうがいい。


●適正な出席者、頻度、時間

 役員(幹部)会は全体会議ではなく取締役会に準ずる会議なので、役員、幹部クラスで実際に現実問題につきあたっている人、責任を持っている人たちと開かないと面白くない。
 頻度としては、出席者が5人以下の少人数なら月2回、10人以上なら月1回ぐらいが妥当だろう。外部から人を呼んで開催する場合も月2回でやるのは厳しい。

 人間の集中力は連続3時間が限界なので、開催時間は2時間をめどにし、長くても3時間ぐらいで収める。午前中、あるいは昼の1時から3時などがいいだろう。
 重要な幹部との頻繁な役員会で付加価値を生んでいく。それが会社を、組織を運営していく要だということがよくわかった。



 文責 山田 咲道 公認会計士・税理士
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