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■第720段 「９時５時残業なし」が基本
（シリーズ 福利厚生費を学する） 令和５年５月１５日
●ダブルワークの時代
福利厚生で私がいちばん重要だと思うのは、残業がないということだ。給料が高ければ残業ベースで働くことが前提条件になるが、給料が控えめであれば「９時５時残業なし」でいい。
高給をアピールポイントにすればリクルート面で苦労することはないが、そのぶん人件費負担が重くなる。逆に給料を抑えれば人材採用活動は困難になり、努力が必要になる。
ふたつの選択肢のうち、うちの事務所では、人件費を多少落とし、できるだけ残業をなくしていく後者の方法を採用している。
残業なしのスタイルは、いまのテレワーク時代に合っている。テレワークでは残業などありえないからだ。残業は事務所に出勤して初めて成立するものだ。
経団連（日本経済団体連合会）は２０１７年１２月に副業や兼業、ダブルワーク（パラレルワーク）を容認し、促進する方針に転換することを発表した。そうしないと有能な労働力を確保できず、企業経営が成り立たなくなるからだ。ブラック企業ではダブルワークどころか徹夜作業などが続き、仕事漬けにされてしまう。
●アフターファイブの有効活用
働くべきときは集中して働き、充実したアフターファイブの時間を自ら作れる人になってもらいたい。税理士資格を取ってもらうという資格取得支援も事務所の目的のひとつなので、アフターファイブを自由に使ってもらうため、残業を少なくしようと努めている。
うちの事務所では、ダブルワークも自由だ。ただ、水商売は夜が深くなり、考え方があれて、本業に差し支える可能性があるため、控えてもらっている。
アフターファイブに別の仕事をして稼いでもいいし、資格取得のために税理士の学校に通うという選択肢もある。本業の勉強は非常に重要だ。スキルが上がれば、収入増につながる。週に２、３日、あるいは週末だけの学校もあり、毎日通う必要もない。
「９時５時残業なし」の労働形態がいかに大切なことか、世の中の人はなかなか気づいていないが、従業員を大切に考える立派な福利厚生なのである。
文責 山田 咲道 公認会計士・税理士
中央区の税理士 エース会計事務所 会社設立できる公認会計士 東京都
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