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第789段 起業のベストタイミングと成功の条件
 (
テーマ 個人で起業する) 令和8年4月6日

20代で基礎を固め、30代で勝負する

 個人で起業するなら、20代はサラリーマンとして経験を積み、20代後半から30代で独立するのが理想的な流れだ。20代で社会常識を身につけ、30代で本格的に勝負をかける。40代からの起業も可能ではあるが、少し遅い印象がある。
 30代は体力もあり、勢いで突き進む力がある時期だ。40代になると、社会経験が増し、人脈も広がるため、大きなビジネスに発展させる可能性も高まる。完全にゼロからのスタートよりも、これまでのキャリアを活かした起業が望ましい。

 本気で起業し、世の中を変えていこうとするなら、30代で独立し、個人事業から法人化を目指す道が基本となる。そのためには、20代後半で会社を辞める前に、自分のこれまでの仕事をどう活かせるかを考える必要がある。全く異なる業界に飛び込むのは極めて厳しい。経験を活かしながら、より収益性の高い分野を選ぶのが正攻法だ。

人間関係の不満で独立するのは間違い

 起業の動機としては、「もっと稼ぎたい」「やりたいことがある」という前向きな理由が求められる。自分のスキルや経験に自信があり、独立することでより大きな収益を得られると確信できるなら、起業する意味は十分にある。
 しかし、「会社の人間関係が嫌だから独立する」という後ろ向きの起業はおすすめできない。人間関係の悩みはどの職場にも存在する。嫌な上司がいる、異動ができない、社長の方針が合わないという場合は、独立ではなく転職した方がいい。独立すればむしろ、取引先や顧客との関係構築が不可欠で、人間関係のストレスが増える可能性すらある。

 日本の年功序列社会では、年齢とともに役職が上がり、「変わった人」が増えていく。どの会社にも「おかしな人」は一定数存在し、会社を辞めることなく居座る傾向がある。どの企業でも共通する現象であり、起業しても転職しても人間関係の悩みが解決するとは限らない。
 だからこそ、起業は前向きでなければならない。本当にやりたいことがある、お金を稼ぐ自信がある、成長の可能性が見えている----そうした強い意志と確信がなければ、独立してもうまくいかない。起業とは「逃げ道」ではなく、「挑戦の場」である。


 文責 山田 咲道 公認会計士・税理士

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